「人工社会 −複雑系とマルチエージェント・シミュレーション−」
2月29日に行われた出版記念セミナーの概要と議事録
ホームページおよび発表資料を出版物等で引用される方は、 出所: 構造計画研究所 『人工社会出版セミナー』 2000年2月 |
【概要】 |
21世紀を迎えるこの時期、人類の課題となっている「個」と「全体」の問題があらためてさまざまな分野で論じられるようになりました。20世紀の単純な還元主義の行き詰まりから、「エージェント」と呼ばれる個ベースの全体シミュレーションを生態系や人間社会行動に応用しようとする試みが続けられております。
弊社創造工学部でも、1991年から「個」の意思決定計測方法としてコンピュータ・インタビューやコンジョイント分析などの手法を紹介してまいりました。さらに全体シミュレーション技法としてのマルチエージェント・シミュレーション手法の有効性に注目し、1996年から米国サンタフェ研究所のビジネスプログラムに参加しております。また1998年からは通産省、情報処理振興協会(IPA)のご支援を受け、教育分野の社会シミュレータ、ABS(Agent Based Simulator)システムを開発してまいりました。
今回、この分野の米国における第一人者であり、ブルッキングス研究所およびサンタフェ研究所に所属するJoshua M. Epstein博士の著書『Growing Artificial Societies』(邦名:『人工社会』)の翻訳出版を記念し、同博士に今後の方向性を伺い、また日本国内の研究者や実務家にこうした手法の有効性や諸問題の解決の可能性を論じていただくセミナーを企画し、無事終了いたしました。
この分野の将来性を評価され興味をお持ちの方も、あるいはまた「複雑系」という言葉だけがひとり歩きし何ら成果がないとお考えの方も、マルチエージェント・シミュレーションというコンピュータ・シミュレーション手法を通して21世紀の知見を得る良い機会となれば幸いです。
【スケジュール】 |
日時 |
2000年2月29日(火) 午前9時30分から午後5時 |
場所 | 新宿センチュリーハイアット(マップ&アクセス) |
【タイムスケジュールと議事録】 |
9:30〜9:40 ご挨拶 (株)構造計画研究所 社長 富野 壽 9:40〜10:10 【セッション1】 「日本発マルチエージェント・シミュレータ − ABS」 (株)構造計画研究所 服部 正太・木村 香代子 10:10〜10:50 【セッション2】 「マルチエージェント・シミュレーションモデルの金融行動への応用」 野村マネージメント・スクール 遠藤 幸彦 様 11:00〜11:40 【セッション3】 「研究教育用シミュレータのニーズとABSの可能性」 東京大学 山影 進 教授 11:40〜12:20 【セッション4】 「国際政治とマルチエージェント・シミュレーション」 東京大学 田中 明彦 教授 13:20〜14:00 【セッション5】 (株)博報堂 研究開発局 水野 誠 様 14:00〜14:40 【セッション6】 東京大学 新宅 純二郎 助教授 14:50〜16:20 【セッション7】 「Agent-Based Computational Models and Generative Social Science」 米国ブルッキングス研究所 Joshua M. Epstein 16:20〜17:00 【セッション8】 パネルディスカッション 上記講師陣
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