C.4. EmacsとObjective C

emacsは、無限のコンフィギュレーションを持ち、パワフルで、しかもフリーという世界最高のエディタです。Unixのテキストエディタを使っていない人がプログラムを書こうと思うなら、学習に最適なのはおそらくemacsでしょう。このドキュメントでは、emacsを使い、Objective C特有のモードでソースコードを編集する方法や、ソースコードを色分けする方法を示します。また、emacsはコンパイルエラーの発見を助けたり、デバッガを実行したり、クラスブラウザのように機能することもできます。ただし、ここではそれらの説明は行いません。Emacsそのもののドキュメンテーションを参照してください。

objc-mode. emacsの最大の特徴として、ファイルタイプによって異なる"major mode"をロードできることがあります。"major mode"は編集構造を提供する機能で、これによりファイル編集はいっそう楽になります。たとえばプログラミング言語モードでは、あなた用のインデントなど素晴らしい設定ができます。

emacs-19.30では、オリジナルc-mode.elが改訂されたcc-mode.elがデフォルトのCモードとなっています。我々にとって具合の良いことに、cc-mode.elはObjective Cを直接サポートしています。これを呼び出す基本関数はobjc-modeで、あなたの.emacsに以下のコードを挿入すればemacsは.mまたは.hで終わるすべてのファイルに対して自動的にobjc‐modeに入ります。

(setq auto-mode-alist
(append '(("\\.h$" . objc-mode)
("\\.m$" . objc-mode))))

コードのハイライト. Xでemacsを走らせると、構文に従ってソースコードを色づけできます。これを行うパッケージにはfont-lockhilit19という2つがあります。

font-lock. emacs-20以降のバージョンは、Objective-C特有のメソッド構文をサポートするfont-lockモードを備えています。我々はhilit19を越えてfont-lockを利用することを推奨しました。今のfont-lockはhilit19が提供していなかった'lazy-fontification'(ユーザがフォントを決める機能)をサポートするようになっており、emacsのObjective C構文の識別サポートはさらに向上したと言えます。この機能を有効にして'objc-mode'で自動的に.hと.mファイルをハイライトする方法については、emacsが提供しているマニュアルを参照してください。